発注ガイド / PROCESS
動画制作の依頼から納品までの流れ完全ガイド|7ステップで分かる発注フロー【2026年版】
「動画を発注したいけど、何から始めればいいか分からない」――この記事は、そんな初発注者のために、動画制作の全フローを7ステップで分解して整理したものです。
動画制作は、問合せから納品まで通常1〜2ヶ月かかります。 各ステップで発注者が「何をするのか」「何を準備するのか」「何を確認するのか」を理解しておくことで、進行のスムーズさが大幅に変わります。
ここでは7つのステップ別に、発注者の動きと制作会社の動き、確認ポイントを徹底解説します。 読み終わる頃には、明日から自社の動画発注を進められる具体的な手順が頭に入ります。
この記事の目次
動画制作の全体フロー(7ステップ)
動画制作のフローを大きく分解すると、以下の7ステップになります。各ステップを順番に進めることで、迷いなく発注が完了します。
各ステップの所要期間の目安は以下の通りです。発注者の準備状況や制作会社の繁忙具合で前後しますが、おおむねこのスケジュール感になります。
- STEP 1 目的整理:1〜2週間(発注者の社内整理)
- STEP 2 会社選定:1〜2週間(リサーチ・問合せ)
- STEP 3 初回打合せ:各社1〜2時間 × 3社程度
- STEP 4 企画提案・見積もり受領:打合せから1〜2週間
- STEP 5 契約・撮影準備:1〜2週間
- STEP 6 撮影:1日〜数日
- STEP 7 編集・修正・納品:2〜4週間
STEP 01: 目的・要件の整理
動画制作の成否は、発注者側の「目的整理」で8割が決まります。 目的が曖昧なまま制作会社に問合せると、テンプレ的な提案しか受けられず、結果として完成動画が「思っていたのと違う」となりがちです。
整理しておきたい5つの基本項目
- 動画を作る目的:採用応募数を増やす / 商品の認知度を上げる / サービスの導入事例として使う 等
- 動画の用途:自社サイトに掲載 / 求人媒体に掲載 / 営業の現場で再生 / SNS広告に活用 等
- ターゲット:新卒求職者(20代) / 中小企業の経営者(40-50代) / 既存顧客 等
- 予算感:確定でなくても「30万円〜100万円の範囲」など幅で
- 希望納期:具体的な日付があれば明示。なければ「2ヶ月以内に納品」など
STEP 02: 制作会社の選定・問合せ
目的が整理できたら、依頼候補の制作会社を選定します。 完全に絞り込む必要はなく、まず3〜4社の候補をリストアップして、各社に問合せを送ります。
問合せフォームに記載すべき内容
- 会社名・部署名・氏名・連絡先
- 動画の目的(できれば具体的に)
- 動画の用途(掲載先)
- 動画の尺・本数の希望
- 予算感(幅でOK)
- 希望納期
- 業界(自社の業種)
- 参考にしている動画(URLがあれば)
曖昧な問合せには曖昧な見積もりしか返ってきません。STEP 1で整理した内容を、できる限り具体的に記入するのが、その後のスムーズな進行につながります。
STEP 03: 初回打合せ・ヒアリング
問合せから返信があった制作会社と、初回打合せを設定します。 オンライン(Zoom・Google Meet)が一般的で、対面の場合は制作会社の事務所か自社オフィスで行います。所要時間は1〜2時間が目安です。
初回打合せで制作会社から聞かれること
- 会社概要・事業内容
- 動画を作る背景・目的
- ターゲット・想定視聴シーン
- 動画で訴求したい強み・特徴
- 参考にしている動画・避けたいテイスト
- 予算・納期・社内決裁フロー
初回打合せで発注者から確認すべきこと
- 制作会社の得意領域・過去の類似実績
- 提案のスタイル(企画書 / 絵コンテ / プレゼン)
- 撮影体制(スタッフ人数・機材)
- 編集の範囲(MA・カラーグレーディング含むか)
- 修正回数・修正範囲
- 担当者・連絡窓口
STEP 04: 企画提案・見積もり受領
初回打合せから1〜2週間で、制作会社から企画書と見積書が届きます。 複数社から見積もりを取っている場合は、ここで横並びで比較します。
企画書で確認するポイント
- 目的・ターゲットを正確に理解しているか
- 提案された構成(尺・カット数・流れ)が目的に合っているか
- 撮影プラン(場所・日数・出演者)が現実的か
- 映像のテイスト(イメージカット・参考動画)が自社のブランドに合うか
- 納品物のフォーマット(動画ファイル形式・尺バリエーション)
見積書で確認するポイント
- 制作費の総額と内訳(企画・撮影・編集・MA・納品)
- 修正回数の上限と超過時の追加料金
- 追加費用が発生する条件
- 使用権・二次利用の範囲・年限
- 支払い条件(着手金 / 残金)
- キャンセル時の規定
STEP 05: 契約締結・撮影準備
発注先が決まったら契約締結に進みます。契約後すぐに撮影の準備が始まります。
契約締結の流れ
- 契約書(業務委託契約書)を制作会社から受領
- 社内法務・経理の確認(必要に応じて)
- 契約書に署名・押印
- 着手金の支払い(発注総額の30〜50%が一般的)
撮影準備で発注者がやるべきこと
- 撮影日の社内アナウンス(出演社員・撮影場所の確保)
- 出演者(社員)への撮影内容・所要時間の事前共有
- 撮影で使用する小物・備品(自社ロゴグッズ等)の準備
- 撮影台本・質問リストの確認(制作会社が用意)
- 撮影場所の確認・許可取り(必要に応じて)
撮影準備で制作会社がやること
- 絵コンテ・撮影スケジュールの作成
- 撮影台本の作成
- 撮影機材の手配
- 必要に応じて出演者(プロモデル・声優)の手配
- ロケ地の許可申請(必要な場合)
STEP 06: 撮影当日の進行
撮影当日は、発注者と制作会社が現場で動画素材を撮影します。 規模にもよりますが、1日6〜10時間程度の拘束時間が一般的です。
撮影当日のタイムライン
- 朝:機材搬入・セッティング(1時間)
- 午前:撮影開始(インタビュー・室内シーン等)
- 昼:休憩(機材移動を兼ねて)
- 午後:撮影継続(イメージカット・外景・追加カット)
- 夕方:撮影終了・機材撤収
発注者が撮影現場で意識すべきこと
- 絵コンテ・撮影台本を必ず手元に持参
- 「これは違う」と感じたカットはその場で伝える(後から修正は工数大)
- 追加で撮りたいカットがあれば、撮影終了前に必ず伝える
- 制作会社のディレクターと現場でコミュニケーションを取る
- 出演社員のフォロー(NG時の励まし・休憩時間の調整)
STEP 07: 編集・修正・納品
撮影後、制作会社の編集チームが素材を編集して、初稿を作成します。 通常、撮影から2〜3週間で初稿が届きます。
初稿確認のチェックポイント
- 動画の構成(カット順・流れ)が企画書と一致しているか
- テロップの内容・配置・読みやすさ
- BGM・効果音のバランス
- ナレーション(あれば)の読み・音質
- カラーグレーディング(色味)が自然か
- 尺が想定通りか
修正依頼の出し方
修正依頼は、できるだけ具体的に伝えるのが重要です。 「なんとなく違う」ではなく、「00:12のカットを別アングルに」「テロップのフォントをもう少し細く」など、タイムコードや具体的な指示を含めます。
納品形式の確認
最終的な納品では、以下のフォーマットでデータを受け取るのが一般的です。 用途に応じて必要な形式を、契約時に明確にしておきましょう。
- MP4(H.264):汎用的・SNS掲載・Web再生
- MOV(ProRes):編集素材として再利用可能・高品質
- 縦型バージョン(SNS用):TikTok・Reels向け
- サムネイル画像(JPG/PNG):YouTube・Web掲載用
発注前に準備しておく7つの情報
STEP 1で整理する内容を、より具体的に7つに分解した「発注前準備リスト」です。 問合せ前にこの情報を整理しておけば、初回打合せから具体的な議論ができます。
- 動画の目的:何を達成するための動画か(応募者数増・売上アップ・認知拡大等)
- 用途:どこで再生するか(自社サイト・SNS・営業現場・展示会等)
- ターゲット:誰に届けたいか(年齢・職業・興味関心まで)
- 予算範囲:確定でなくても上限・下限の幅
- 希望納期:絶対納期・希望納期の2軸で
- 参考動画のURL:好きなテイストの動画があれば3〜5本
- 社内決裁フロー:最終決裁者は誰か・どんな承認プロセスが必要か
全体期間とスケジュール感
動画制作の全フローを、カレンダーベースで整理すると以下のイメージです。 繁忙期(年度末・新生活シーズン)は各ステップが長引く傾向があるので、余裕を持ったスケジュールが安心です。
標準スケジュール例(2分の採用動画の場合)
- Week 1-2:目的整理・社内ヒアリング
- Week 3:制作会社のリサーチ・問合せ
- Week 4:初回打合せ(3社)
- Week 5-6:企画書・見積もり受領・比較検討
- Week 7:発注先決定・契約締結
- Week 8-9:撮影準備・絵コンテ確認
- Week 10:撮影当日
- Week 11-12:編集(初稿納品)
- Week 13:修正対応
- Week 14:最終納品
合計14週間(約3ヶ月半)が標準的な目安です。 急ぎの場合は最短2ヶ月での納品も可能ですが、目的整理や企画段階を省くと、品質に影響します。
よくある質問
問合せから納品まで、最短どれくらいかかりますか?
最短で2週間〜1ヶ月程度です。ただし、これは目的整理が完了し、参考動画も明確で、制作会社のスケジュールも空いている場合に限られます。標準的には1.5〜2ヶ月、品質重視なら3ヶ月程度を見込むと安心です。
撮影日に発注者は立ち会うべきですか?
必ず立ち会うべきです。撮影現場での意思決定が、最終動画の品質に直結します。「これでOK」「もう1テイク撮り直し」を発注者がその場で判断することで、編集段階での大幅修正を回避できます。
修正は何回くらいが標準ですか?
2〜3回が一般的です。初稿→修正1→修正2(微調整)→最終納品の流れです。修正が4回以上になる場合は、初期の企画整理が不十分だった可能性が高いので、次回発注時に改善しましょう。
社内決裁が複数段階ある場合、どう進めるべきですか?
決裁プロセスを最初に整理して、制作会社に共有しておきましょう。「経営層への中間共有を企画書段階で実施」「役員レビューは初稿納品から1週間以内に完了」など、各段階の社内承認タイミングを事前に組み込むと、進行がスムーズです。
撮影の天候不順(雨など)で延期になった場合、どうなりますか?
屋外ロケの場合、契約書に「天候による延期の取り扱い」を明記しておきます。一般的には予備日を設定し、予備日も悪天候の場合は再協議となります。延期費用が発生するかどうかも事前確認が必須です。
まとめ
動画制作の発注は、7つのステップで進みます。各ステップで発注者・制作会社が何をするのかを把握しておけば、初発注でも迷わずに進められます。
最も重要なのは、STEP 1の「目的・要件の整理」。ここを丁寧に行うことで、その後の6ステップがすべてスムーズになります。
動画プロでは、業界別の動画作品から自社に合う制作会社を見つけられます。 発注の流れを理解したうえで、実際の作品テイストを比較しながら依頼先を決めてください。