発注ガイド / RFP
動画RFP/提案依頼書の書き方完全ガイド|良い見積もりを引き出すRFPの作り方【2026年版】
動画制作の発注で「思い通りにならない」「見積もりがバラバラで比較できない」と悩む発注者が後を絶ちません。原因の多くは、発注時の情報伝達=RFP(提案依頼書)が不十分なことにあります。中小企業ほどRFPを軽視しがちですが、しっかりしたRFPを用意することで、3社相見積もりの精度・質ともに劇的に向上します。
良いRFPは、制作会社が「真剣に提案する価値がある」と判断するきっかけにもなります。逆に「予算もスケジュールもターゲットも曖昧」なRFPには、制作会社も適当な見積もりを返すだけになりがち。発注者・受注者双方にとって、RFPは効率的なプロジェクト開始の鍵です。
この記事では、動画RFPの必須8項目・テンプレート・相見積もりの進め方・選定プロセスまでを完全解説します。
この記事の目次
RFPを書く理由
RFP(Request for Proposal=提案依頼書)は、発注者が制作会社に対して「こういう動画を作って欲しいので、提案と見積もりをください」と依頼する文書です。中小企業の動画発注では「電話・メールで口頭依頼」が多いものの、これでは制作会社ごとに理解にバラつきが出て、見積もりが比較不能になります。
RFPがあるメリット
- 制作会社ごとに同じ前提で見積もりが取れる(比較が公平)
- 制作会社の提案クオリティが上がる(発注者の本気度が伝わる)
- 社内承認プロセスがスムーズ(役員説明用の資料にも使える)
- 発注後のトラブル(言った/言わない)を回避
- 発注者自身が要件を整理する機会になる
RFPなしで発注した場合の失敗例
- A社は80万円、B社は250万円と見積もりに3倍の幅。比較不能
- 「想定と違うテイスト」で修正回数が膨らみ、納期遅延
- 「これは別料金です」と追加見積もりが多発
- 意思決定が遅れて納期がタイト化
必須8項目とテンプレート
RFPの基本テンプレート
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| ①目的・KPI | 動画で達成したいこと(例:採用応募数を月10→30件に) |
| ②ターゲット | 視聴者の属性・視聴媒体・視聴シーン |
| ③予算・スケジュール | 予算の範囲(例:100〜150万円)・希望納期 |
| ④参考動画 | テイスト・尺感を伝える参考URL3〜5本 |
| ⑤動画の長さ・本数 | メイン1本2分・SNS用60秒版1本など |
| ⑥納品形式 | 16:9/9:16・MP4/MOV・解像度・字幕有無 |
| ⑦撮影条件 | ロケ場所・出演者の有無・特殊機材必要性 |
| ⑧提案して欲しい項目 | 構成案・スケジュール・体制図・類似実績 |
これに「貴社情報(連絡先・担当者)」「選定スケジュール(提案締切・選定発表日・契約締結日・キックオフ日)」を加えれば、A4で2〜4ページのRFPが完成します。
目的・KPIの書き方
RFPで最も重要なのが「目的・KPI」項目。これが曖昧だと、制作会社は「とりあえずキレイな動画」を提案してきます。具体的な事業ゴールに繋がるKPIを書くことが、提案の質を大きく左右します。
良いKPIの書き方
- ○ 採用動画:応募数を月10件→30件に増やす(現状値と目標値の両方)
- ○ 商品PR:LP訪問からの購入CVRを2%→4%に
- ○ サービス紹介:商談化率を30%→50%に
- ○ ブランディング:認知度調査の好感度を○○%向上
避けたいNG例
- × 「会社をアピールしたい」(抽象的すぎる)
- × 「カッコいい動画を作りたい」(誰が判断するか不明)
- × 「とにかく見られる動画」(指標が曖昧)
ターゲット・視聴シーンの書き方
属性と視聴媒体・シーンを具体化
- 属性:30代女性・正社員・年収400〜600万円・首都圏在住
- 視聴媒体:Instagramリール・採用ページ・面接後フォローメール
- 視聴シーン:通勤中スマホで・面接後にPCで詳しく
- 視聴時の課題感:「この会社に応募して大丈夫か」を判断する材料を求めている
予算・スケジュールの書き方
予算は範囲で提示するのが定石
予算は「100〜150万円」のように範囲で書くのがベスト。下限・上限を明示することで、制作会社が「下限なら○○できる、上限なら○○まで対応可」と段階的に提案してくれます。逆に予算非開示だと、制作会社が探りで高めの見積もりを出すか、無難な見積もりに走るため、結果として比較・選定が困難になります。
スケジュールの書き方
- 動画公開希望日(マスト):○月○日(展示会開催日のため変更不可)
- キックオフ希望日:契約後○週以内
- 撮影希望時期:○月○日〜○月○日
- 初稿納品希望日:撮影後○週間以内
選定プロセスと判断軸
選定スケジュールの目安
| フェーズ | 期間 |
|---|---|
| RFP送付〜提案締切 | 2週間 |
| 提案内容レビュー | 1週間 |
| 最終2〜3社のプレゼン | 1週間 |
| 選定発表〜契約締結 | 1週間 |
| キックオフ | 契約後1週間以内 |
選定の判断軸(スコアリング推奨)
- ① 提案の質・構成案の説得力(30点)
- ② 過去実績・類似案件の有無(20点)
- ③ 体制・担当者の経験(15点)
- ④ 価格・コスパ(20点)
- ⑤ スケジュール対応力(10点)
- ⑥ コミュニケーション・対応スピード(5点)
よくある質問
RFPは何ページくらいが適切?
A4で2〜4ページがちょうど良い。長すぎると制作会社が読み込みにくく、短すぎると要件が伝わりません。本文+別添資料(参考動画リスト・撮影場所写真)の構成が定番。
参考動画はどう選ぶ?
自社業種・自社サイズの企業の動画を3〜5本選定。テイスト・尺感・トーンの近いものをピックアップし、「特にこの部分を参考にしたい」とコメント付きで提示すると伝わりやすい。
RFPは何社に送るべき?
3〜5社が現実的。10社以上だと管理が大変で、選定にも時間がかかりすぎる。事前にホームページ・実績で候補を絞り込んでから送付するのが効率的。
予算非開示で提案を求めるのはOK?
非推奨。制作会社にとって予算非開示は「探り合い」の時間が無駄に発生し、結果として精度の低い見積もりになります。範囲提示が双方にとってベスト。
RFP発送後の質問対応は?
質疑応答期間を1週間設けるのが定番。質問への回答はすべての提案社に同時共有(公平性確保)するのが鉄則です。
まとめ
良いRFPは、目的/KPI・ターゲット・予算/スケジュール・参考動画・動画仕様・撮影条件・提案項目・選定スケジュールの8項目を網羅することで、的確な提案と質の高い相見積もりを引き出せます。
RFPの精度がそのまま発注プロジェクトの精度に直結する、と理解することが発注成功の第一歩です。